2017年1月27日 (金)

犬猫の流通、1年で10万匹増 途中で2万5千匹死ぬ

こうしたペット業界の裏側が明らかになるようになったのは、朝日新聞太田記者のおかげです。

こんなに多くの犠牲を生み続けている生体展示販売が、未だ日本の犬猫販売の主流なのはどうしてでしょうね。

以下、記録のために転載**********************

YAHOOニュース
朝日新聞デジタル 1/27(金) 8:02配信

犬猫の流通、1年で10万匹増 途中で2万5千匹死ぬ

2015年度に国内で販売されるなどした犬猫は少なくとも約85万匹で、前年度より約10万匹増えていることが朝日新聞の調査で分かった。流通量の増減のデータはこれまでなかった。流通量の3%にあたる約2万5千匹の犬猫が流通過程で死んでいたことも判明した。



改正動物愛護法(13年9月施行)で、繁殖業者やペットショップなどは「犬猫等販売業者定期報告届出書」を自治体に提出することが義務づけられた。流通の実数を把握するため、朝日新聞は14年度分と15年度分について、この事務を所管する都道府県や政令指定都市など99自治体にアンケートした(回収率100%)。

 

集計の結果、15年度は犬約69万1千匹、猫は約15万6千匹が販売・譲渡されていた。15年度は、14年度より自治体に届出書を提出した事業所数が少ないが、それでも14年度比で犬は約7万5千匹(12%)増、猫は約2万3千匹(17%)増で、ペットブームが続く中、国内流通量は増加していることが分かった。

 また、繁殖から小売りまでの流通過程での死亡数(死産は含まない)は犬1万9866匹、猫は5088匹の計2万4954匹。14年度も死亡数は計2万3181匹で、両年度とも流通量の3%にのぼる。これは環境省が09年にペット店を対象に調査した際の推計値の33倍にあたる。

朝日新聞社







 環境省の調べでは、15年度の全国の自治体における殺処分数は犬1万5811匹、猫6万7091匹。自治体や市民団体などの努力で、保護犬や保護猫を引き取る意識は高まってきてはいるが、流通量の増加により安易な飼育放棄が増えることも懸念されている。
 日本動物福祉協会の調査員、町屋奈(ない)獣医師は「ペットはいまや家族の一員。獣医療が進歩し、かなり長寿にもなった。飼い始めた犬猫たちが快適に動物らしく、幸せに長生きできる環境を整えるようにしてほしい」としている。(太田匡彦)


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2016年12月17日 (土)

飼養施設の数値基準は法改正と別に検討 

自分記録用です

ペトことより、以下転載

飼養施設の数値基準は法改正と別に検討 環境省 則久動物愛護管理室長が進捗状況を説明
2016.11.14


12日(土)、都内でペット法学会のシンポジウム「動物愛護法と科学的知見」が開催され、環境省動物愛護管理室の則久 雅司室長が飼養施設の数値基準について、数値を決めることはデメリットもあり、運用を支えるものとして日本にあった基準は何なのか、法改正の議論とは別に考えていかなければならないと話しました。
進捗状況については、今年4月に発生した熊本地震の際、環境省として初めて本省スタッフを現地派遣した関係で通常業務が遅延しており、飼養施設基準についても今年中に具体的な取り組みをすることは難しい見通しです。則久室長は「本来やるべきことをやっていない言い訳」と前置きしつつも、関連産業含め1.5兆円規模の業(動物取扱業)を愛護管理室11人(非正規4人含む)で監督しており、膨大な業務量で人が足りないのが現状と説明しました。

* 1 則久室長の発言内容
* 1.1 登壇セッションより該当部分を抜粋
* 1.2 パネルディスカッションより発言を抜粋(前半)
* 1.3 パネルディスカッションより発言を抜粋(後半)
* 2 補足:現在の飼養施設の適正基準
* 2.1 「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」第三条第二項
* 2.2 「第一種動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」
則久室長の発言内容
以下、則久室長の登壇セッションと全セッション終了後に行われたパネルディスカッションの中から、「数値基準」に関する発言を抜粋して紹介します。

登壇セッションより該当部分を抜粋
飼養施設の基準の話ですが先日、朝日新聞さんのほうで「環境省は今年度中にも専門家らによる検討会を立ち上げる」と書いてありました。実は我々、今年少しでもやりたいと思っていたんですが、熊本地震の対応で(2016年度前半に取り組むはずだった)予定が吹っ飛んでしまっているので、正直なところ今年から手掛けて何らかの結論を出すのは厳しくて、現実的には無理かなと思っています。
平成23年(2011年)に審議会の中でいろいろ議論していただいた結果として、「数値基準は可能な限り科学的根拠に基づく、現状より細かい規制の導入が必要であり、専門的な知見を持つ有識者で構成される委員会において議論すべきとの認識が共有された」となっていて、科学者による会議によって決めていきましょうというのが合意されました。今年やらなければと思っていたのですが、実際ちょっと立ち上がりそうにないという形になっています。

パネルディスカッションより発言を抜粋(前半)
数値基準は、法律ではなく政令や省・府令、告示で決められるようになっています。現在は第一種動物取扱業者の(飼養環境に関する)基準が動物愛護管理法の施行規則(省令)と細目(省告示)が出てまして、そこに定性的に書いてあります。数値が入っていないのですが、これについては審議会で、「もうちょっと科学的に決めるのがいい」ということで決めきれず、もう1回、会議をやりましょうということになったんですが、それがなかなか開けるだけの余力が(動物愛護管理室に)無いということになっています。
ただ第一種動物取扱業者は動物園も含めてペットホテルまでさまざまあって、さらに動物の種類も哺乳類だけでなく鳥類、爬虫類も含みますので、いきなり全部をやるのは難しい。とりあえずは(対象を)ブリーダーだけとか、犬と猫だけとかに絞って考えていくことになると思います。ドイツの場合は犬に関してだけですが、一般の飼い主も含めてみんな共通の基準です。日本の場合は動物取扱業者になるので、一般の飼い主さんはそこに入ってきませんが、第一種と第二種のシェルターをやっている方にもほぼ同じ基準が適用されていくことになると思います。
(タイミングとして)次の法改正のときにというか、法改正と連動してなのか並行してなのかわかりませんが、法律の議論とは別個に、検討・研究を続けなければいけないと思います。これは本気でやるとかなり力がいるので、タイミングを見てということしかお答えできません。海外も非常に関心があるんですけど、海外の数値基準の根拠ってなんだろうと探してみると、何らかの知見ではあるんでしょうが、はっきり科学的な知見で決まってるわけではなく、総合的な判断と言いますか、社会的な判断があって決まっているような印象があります。

パネルディスカッションより発言を抜粋(後半)
数えたわけではないですが(印象として)、世界的に見ると数値基準を決めている国よりは定性的な基準だけのほうが多くて、定性的な基準も無いような国が圧倒的に多いです。日本は定性的な基準は一通りあって、イギリスのRSPCA(英国王立動物虐待防止協会)でも、(定性的な基準だけで)必要なものは充分あると言われています。
だから数値は、うまく運用できるか、運用を支えてくれるものになるかどうかにあるんですが、実は自治体の意見とか、愛護団体というより動物の福祉とかの観点で活動する団体と意見交換しますと、両論あります。審議会でも、「最低限これを満たさなければダメだという悪質なところを排除するための基準と、満たさなくてもいいけどより望ましい基準をつくるべきだ」という意見がありました。

環境行政でいろんな基準を作ったとき、「これを満たしておけばいいのね」とみんな(自主基準が)落ちてきてしまうんですよ。これが数値を決めることのデメリットの一つと言われています。ですから決めずに、本当は行政官が自分の判断で「アウト」と言って、何かあれば裁判で争って白黒付けるのが理想なんです。だけど、相手が20年、30年やっているブリーダーさんで、公務員の人事異動で来たばっかりの人がいきなり行ってやれるかということを考えると、数字があったほうがいいという気持ちもよく分かります。数値を決めることのメリットとデメリットを(意見交換で)お聞きしています。

実際に運用する上で、「現場の自治体の方をいかに動きやすくするか」というところと同時に、「動物の生活の質が向上するか」というところをセットで見ていく必要があると思っています。そうすると日本にあったやり方は何なのか。それもいきなりではなくて、段階的に刻んでいく部分とか、よくテレビなんかで報道されるような本当に悪質なケースを問答無用で退場させられるものは何なのか。そういうところを考えないと「ドイツが理想だからドイツのようにしなさい」といきなり言っても、そこは現実的に厳しいと思います。(数値基準の検討には)マンパワーがいりますということになりますが、頑張ります。

補足:現在の飼養施設の適正基準
則久室長の説明にあった通り、国内における飼養施設の適正基準は、動物愛護管理法の「施行規則」と「第一種動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」で定性的に規定されています。
「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」第三条第二項
七  飼養施設に備えるケージ等は、次に掲げるとおりであること。
 イ 耐水性がないため洗浄が容易でない等衛生管理上支障がある材質を用いていないこと。
 ロ 底面は、ふん尿等が漏えいしない構造であること。
 ハ 側面又は天井は、常時、通気が確保され、かつ、ケージ等の内部を外部から見通すことのできる構造であること。ただし、当該飼養又は保管に係る動物が傷病動物である等特別の事情がある場合には、この限りでない。
 ニ 飼養施設の床等に確実に固定する等、衝撃による転倒を防止するための措置が講じられていること。
 ホ 動物によって容易に損壊されない構造及び強度であること。
「第一種動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」
第3条 飼養施設に備える設備の構造、規模等は、次に掲げるとおりとする。
 一 ケージ等は、個々の動物が自然な姿勢で立ち上がる、横たわる、羽ばたく等の日常的な動作を容易に行うための十分な広さ及び空間を有するものとすること。また、飼養期間が長期間にわたる場合にあっては、必要に応じて、走る、登る、泳ぐ、飛ぶ等の運動ができるように、より一層の広さ及び空間を有するものとすること。ただし、傷病動物の飼養若しくは保管をし、又は動物を一時的に保管する等特別な事情がある場合にあっては、 この限りでない。
 二 ケージ等及び訓練場は、突起物、穴、くぼみ、斜面等によって、動物が傷害等を受けるおそれがないような安全な構造及び材質とすること。
 三 ケージ等及び訓練場の床、内壁、天井及び附属設備は、清掃が容易である等衛生状態の維持及び管理がしやすい構造及び材質とすること。
 四 ケージ等及び訓練場は、動物の種類、習性、運動能力、数等に応じて、 動物の逸走を防止できる構造及び強度とすること。

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2016年10月11日 (火)

10月9日ペットの王国ワンだランド 感想

10月9日オンエアの「ペットの王国 ワンだランド」。以下、個人的な感想ですが・・・

この番組、以前も篠田さんがドイツのティアハイムに取材に行ったりしてましたよね。朝日新聞社系列のテレ朝だけあって、よくある動物バラエティとは趣きが違うなぁと思ってはいましたが。報道系やドキュメンタリーならともかく、まさかこうした番組に朝日新聞の記者 太田さんが出演するとは。いい時代になりました。笑

太田さん出演回だけあって、日曜朝の動物バラエティとは思えない、ドキュメンタリーにも匹敵するような絵もありましたね。

ペット業界の裏側は知りたくない、という方のほうがたぶん世の中には多いんだと思いますし、そうした方たちにとっては、目を背けたくなってしまう内容なのかもしれませんけど、こうした犠牲があって成り立っているのが日本のペット業界の商慣習。

番組ではペットショップの売れ残りの引き取りの話しか出ていませんでしたが、きっと繁殖屋のリタイア犬も含まれているんだろうなぁ。映像にちらりと映った被毛もモサモサで目が白くなったマズルの長い犬は、ペットショップの売れ残りには見えません。

札幌でも今年の動物愛護週間に、愛護とは別の主旨?と思われる里親会が開かれていました。

【参考】
2016年9月16日 せっかくの愛護週間に・・・


ただ「可愛い」とか「可哀想」とかではなく、なぜこうした譲渡会が開かれているのか、この犬たちがいったいどこから来たのかを考える時代なんだと思います。

番組内で太田さんが言っていたように、早く日本もブリーダーによる受注(予約)・生産・販売が当たり前になるといいですね。

(もう少しストレートに言うと、ペット業界の裏側を隠してしまう生体展示販売=ペットショップがなくならない限り、不幸な犬猫はいなくならないということですが)


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この犬の状態が飼育放棄でなければ何でしょう?
飼育放棄は明らかな虐待ですよね

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2016年10月10日 (月)

10月9日ペットの王国 ワンだランド メモ

10月9日9:30〜 テレビ朝日系列
「ペットの王国 ワンだランド」

引き取り屋に関する内容のみ、簡単なメモで残します。

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一年間に述べ75万匹も販売される犬や猫。
ペットショップに行けばショーケースに入った犬や猫を誰でも簡単に買うことができますよね。

売れ残ってしまった子犬や子猫がどのような末路をたどるのか、皆さんは考えたことがありますか?

太田記者
「大量販売すれば当然大量在庫が必要になり、一定数の売れ残りが出て廃棄が行われる。
僕も以前はそうでしたけど、なんでこんなに犬や猫が殺されているのか?みんな考えない」


日本の法律では3年前まで、売れ残った犬や猫を保健所で引き取り処分することが可能でしたが、動物愛護法の改正により、保健所は引き取りを拒否することが可能に。

すると売れ残ったペットたちを引き取り、ビジネスをする業者が現れました。

売れ残った犬や猫を有料で引き取る、通称「引き取り屋」。

保健所に変わってペットを引き取り、命をつなぐー。一見良心的なビジネスにも思えみえますが、とんでもないと太田記者は言います。

「エサや水は与えられているけど、それ以上の世話はしない。病気の治療は施されない状況で飼育」

太田記者が取材を進めている引き取り屋の施設にカメラが同行。

狭いケージに押し込められた犬や猫は300匹。排泄物は掃除されることなく、不衛生な状態で閉じ込められ爪も伸び放題。犬や猫たちの健康管理は皆無です。


太田記者
「普通はいくらぐらいで引き取ります?」

業者
「1〜3万円。小型は1万、大型は3万。1才未満は無料、使える犬は。
ペットショップの場合は6ヶ月を過ぎると。あるときは1ヶ月に4〜50頭くらい引き取る」


太田記者
「ああいう環境で飼われることが幸せだと言えますか?」

業者
「じゃあどこに入れとけばいいの?そのスペースしかないんだから。一般の犬を飼うようにやってくださいと言われても無理です。
”やってください”というんだったら、それだけの施設提供してよ」

太田記者
「虐待にあたると思われても仕方ない側面はあるんじゃないか?」

業者
「そこまで悪いことはしてないと俺は思ってるんだけど、どこまでが虐待なのか・・・
とっちめて殺しちゃったなら虐待だけど、エサやったかやってないかわからない、これが虐待だとなると犬飼えないですよ」


この業者は虐待の疑いで刑事告訴されている、とのこと。


VTRのあと、スタジオで。

太田記者
「辞められたら困るから、ちゃんと続けてくださいね、という連絡がペットショップから業者に入る。
大手のペットショップだと、1つのチェーンで年間3万匹くらい売る。3万匹も売るようなビジネスをしたら、当然大量に作らなければならない。そういうことができなくなるようにしないと。ブリーダーさんたちが1頭1頭説明しながら売るとか、そういう様に仕組みを変えてかないと」

出演者のみなさん
「日本はまだペットをモノ扱い。生き物として扱っていない。先進国なのに遅れている。意識を変えていかないと」

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2016年9月19日 (月)

せっかくの愛護週間に・・・

動物愛護週間(9/20~26)直前の今日、札幌でもイベントが開催されています。

「人とペットの暮らし広場2016」

詳細はしっぽの会ブログをどうぞ
しっぽレポート

これまで行われていた盤渓でのイベントは、犬を連れて行く人にとっては楽しいものでした。でも、これからの愛護を考えるなら、今回のように中心部で動物との接点が少ない人の目に触れるもののほうがいいなと個人的には思います。


一方、せっかくの愛護週間だというのに、妙なものを見つけてしまいました。


札幌市内の某動物テーマパークにて行われている「里親エキスポ2016」。

チラシには
「ワンちゃんネコちゃんを飼いたいと思っている方
ペットショップに行く前にちょっと待って!
優しい飼い主を必要としているワンちゃんネコちゃん達が沢山います。
一度会ってみて、気が合う子、責任を持って
飼える子の里親になってください」


これを見て、”可哀想な犬ネコを引き取ってあげたい”と思ってしまう人もいるのかな?


「道内最大級100頭以上」という記載もありますが、この犬ネコ達は、いったいどこからやってきたのでしょう?


見た人の同情を誘うような説明文も、ワタシには強い違和感しか感じられません。


以前から何度か同じようなことを書いていますが・・・


本当に可哀想な犬ネコを増やさないためには、譲渡する動物に不妊処置をすることは欠かせないし、まともな愛護団体なら安易に誰彼にでも動物を渡したりはしません。

またワタシが何より重要だと思うのは、犬ネコを商売のために平気で使い捨てる、繁殖業者の片棒を担がないこと。

繁殖できなくなった犬ネコは、業者にとってはただの不要品。手元に残せばコストがかさむだけの邪魔な存在でしかありません。

行政(保健所)が業者からの引き取りを拒否できるようになり、業者にも動物の適正な扱いが求められている現在、業者はなんとしてでも繁殖できない犬ネコを極力費用をかけずに処分したいのです。


そこで格安で犬ネコを引き取る”引き取り屋”が横行。その後は・・・

◆タダ同然の残飯を与え続け、糞尿まみれのまま死ぬのを待つ、いわゆる飼い殺し

または

◆お金をもらって引き取った犬ネコを、一見愛護風に、無料譲渡する
(薄利でしょうけど間違いなくビジネスで、愛護ではありません)

こうしたやり方がきちんとしたルールもないままに存在し、愛護と誤解を招くような表現を使うのを合法としているのはどうなんだろう?


札幌市の条例では、飼い主による終生飼養をうたっています。繁殖業者だって飼い主。商売だろうと何だろうと、責任を持って終生飼養するべきだとワタシは解釈しています。

だからこそ、種にこだわり繁殖犬(ネコ)を終生飼養するシリアスブリーダーから、子犬子ネコを買ってほしいのです。


生体展示販売のペットショップがなくならない限り、犬ネコを商品として使い捨てる繁殖業者はなくなりません。不幸な犬ネコは途切れることなく、次から次へと世に出てきます。


流れ出る水は受け止めるだけではダメです。蛇口を閉めなきゃ、水は止まりません。


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”責任を持って”と書かれていますが、その言葉そのままお返ししたい

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2016年8月 9日 (火)

血が濃いということ

選択的交配によって作られてきた純血種。
人間が欲にかられて行ったことの結果は、全て犬に降りかかります。

欲しがる人がいて、高い金額で売れるから、ルールを無視した交配が止まりません。
本当に犬が好きなら、健康であることが最優先されるべきだと思います。

どうしても子犬が欲しいという方は、本当に犬が好きで犬のことを考えた交配を行っているブリーダーからご購入ください。

下記興味深い記事だったので、記録のため転載します。


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Yahooニュース
ブルドッグが危機、遺伝的に似すぎ
ナショナル ジオグラフィック日本版 8月4日 7時31分配信

139匹の遺伝子を解析、旧来のブリーディングに警鐘

 力強さや頑強さを象徴するイヌだったブルドッグ。だが、100年以上にわたる選択的交配が、このイヌをひ弱にしてしまった。

 実は今、ブルドッグたちは呼吸や骨格、皮膚の障害をかかえている。しかも、多くの個体が自然に交尾したり出産したりできない。幼いうちに呼吸障害を起こすと、5歳以上まで生きられない可能性が高い。

 7月末、ブルドッグの遺伝子を初めて完全に解析した研究の結果が、オンラインジャーナル「Canine Genetics and Epidemiology(イヌの遺伝と疫学)」に発表された。この研究により、ブルドッグの遺伝的多様性がきわめて低いことが明らかになった。

 遺伝子が欠けているとなれば、ブリーダーの人々が願うように、自然に元の健康的な形質を取り戻すというのはかなりの難題だと、研究チームのリーダーである米カリフォルニア大学デービス校の獣医学研究者ニールス・ペダーセン氏は語る。

 米アメリカンケネルクラブによると、ブルドッグ、いわゆるイングリッシュ・ブルドッグは現在、米国では4番目に人気の高い犬種だという。


139匹がほぼ同じゲノム

 研究者らは、合計139匹のブルドッグのDNAを採取、解析した。北米、ヨーロッパ、アルゼンチンで暮らす健康な個体のグループと、大学の動物病院に入院中のさまざまな疾患をもつグループだ。

 結果は衝撃的だった。健康で地域もばらばらな個体群なら、それぞれのゲノム構造は大きな違いがあるものと考えられていたが、ブルドッグの場合、どの個体もゲノムの大半の領域が同じだった。

 おまけに、ゲノムのなかでもイヌの免疫系を制御する領域に、やっかいな多様性の欠如が見つかった。研究者は、健康なイヌと疾患をもつイヌとで違いは見られなかったとしている。

 遺伝的多様性が低い理由の一つは、現代のブルドッグがわずか68匹の集団から始まっていると見られることだ。こうした小さな遺伝子プール(多様性)からスタートして、つぶれた顔、ずんぐりした体、だぶついた皮膚になるよう選択的に交配が重ねられたブルドッグは、さらに多様性を失ってしまった。


つぶれ顔と引き換えに

 ブルドッグにとって不幸なことに、その魅力となっているさまざまな身体的特徴も、疾患の原因だという。

 たとえば、その愛嬌のあるつぶれた顔。つぶれた顔になるよう交配すると、極端な短頭になり、頭蓋骨が短くなる。これが今、ブルドッグの死の最大の原因になっている。さまざまな呼吸器疾患や発熱が引き起こされるからだ。

 この不格好な頭は、繁殖にも影響する。ブルドッグの子犬は、母犬の産道を通れないので、帝王切開で生まれるしかない。ペダーセン氏は、ブルドッグの出産の80パーセントが人工受精と帝王切開だと見ている。

「100~150年前がどうだったか考えてください」と、今回の研究には参加していない米コーネル大学獣医学部の遺伝学者アダム・ボイコ氏は言う。19世紀半ばの写真を見ると、ブルドッグは長い顔をし、尾はまっすぐで、皮膚のだぶつきもほとんどない。

「ブルドッグについて何度も意図的な選択をしてきたんですから、最初から、遺伝的多様性の低下という問題があったんです。さらに交配を重ねると、疾患が急増するかもしれません」


社会とブリーダーの協力が必要

 ブルドッグの子犬の人気が高まっているため、なかには3万ドル(約300万円)で取引される子犬もいる。より「愛嬌のある」ブルドッグを求める市場に、ブリーダーが応えていることはあきらかだ。

 だが、社会もブリーダーも協力して、ブルドッグの救済に取り組む必要がある。

 アメリカンケネルクラブをはじめとする登録機関は、審査基準をゆるめることで、これに一役買うことができる。基準をゆるめれば、近縁の血統から新しい形質を得ることが可能になるだろう。

「ブリーダーは、自分たちには問題があると気づくべきです」と、ペダーセン氏は言う。

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2016年7月25日 (月)

ペットショップを選ぶなら

先週の続きですが。

本当に犬のためを思うなら、”生体展示販売がなくなり、犬は全てシリアスブリーダーで予約して購入” がベストです。そうなれば多因子遺伝病は減り、不幸な繁殖犬はいなくなり、子犬購入のハードルがあがり衝動買いができなくなるなどで捨てられる犬は激減することでしょう。

しかし、ペットショップやパピーミルという商売で生計を立てている人たちがいて、全ての犬がどうあるかよりも人間に都合の良い・便利なペットショップがあるほうがいい、という人たちがいるのも確か。需要と供給があり、なおかつ長く続いてきた商慣習というのはそう簡単になくならないものですね。

なくならないのなら、時代に合わせた改善を求めるしかありません。


10年前とは法律も条例も、そして常識もずいぶん変わりました。友人とも、ペットショップは企業間の差が大きくなったねーなんてよく話しています。

例えば、たびたび話題に出てしまうウチのpeeさんの出身ショップ、テ○テ○さん。今さら褒めるわけではありませんが(笑)、じつはペットショップの中では、けっこう頑張っているほうだと思っています。(上からですいません。適切な表現が難しいです。笑)

今では当たり前になりましたけど、10年前すでに本店でしつけ教室が行われていたし、子犬の社会化プログラム(それもD.I.N.G.Oの)もずいぶん前から取り入れていました。ホームページに犬の臨界期について書いているペットショップなんてここくらいじゃないでしょうか。 (臨界期を語るなら、生後3ヶ月くらいまでは親犬の元で過ごさせるべきでは?などツッコミたくなる気持ちはさておいて)

ほかにも、ブリーダーから仕入れた犬を検査するための生体管理センターの公開など、情報公開への姿勢は見えます。何よりトレーサビリティ(流通経路を明らかにする)に取り組んでほしいところですが、やはりそこはブラックボックス。そこをもし変えられたら、愛護派からも本当に評価されると思うんですけどね。

最近は仕入れる犬達も半数以上が8週齢に近いようです。(テ○テ○の社長は「札幌市動物愛護管理のあり方委員会」のメンバーですから、条例はしっかり遵守すべきですね。笑) 詳しくは書けませんが、これまでにワタシが聞いた話から判断すると、購入後のトラブル対応も他ショップよりもきちんとしているかもしれません。


そもそも、ペットショップが好き、という人はこんなブログは読まないと思いますが、どうしてもペットショップと仲良くしたい方は、法令を順守し、愛護の気持ちを持って正しく動物を扱い、飼い主の意識向上に努めるペットショップを探してお付き合いいただきたいものです。

”安さが売り”とうたうショップは当然仕入れを叩き、結果苦しめられているのは繁殖犬だということを一人でも多くの人に気づいてほしいのですが、なかなか伝わらないですね。

ちなみに生後3ヶ月にもみたないような子犬や子猫を、テレビ番組にホイホイ貸し出すようなペットショップは立派でもなんでもありません。やたらと最近新店舗をオープンさせていて、イヤな感じです。

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2016年7月18日 (月)

遺伝と、ペット業界の話②

さらに昨日の記事に続きますが。

親犬のこと、そして産まれてくる子犬の将来を考えないめちゃくちゃな繁殖を実現させてしまう「隠れ蓑」が、可愛い子犬をだけを並べて売る生体展示販売、いわゆるペットショップです。

繁殖犬がどういう状態で飼育されているか、産めなくなった犬がどうなるか、売れなかった犬がどうなっているか。

これらを全て、キレイなペットショップが隠してしまっているために、こうした他の業界では今どきあり得ない裏事情が存在します。それが【犬の流通がブラックボックス】と言われる理由。


一流企業は生体販売には手を出しません。


下記、ちょっと古い記事ですが。

WEDGE12月号第二特集2011年11月22日 より抜粋
 「『生体販売を行う企業は上場できない』というのが今の日本社会の現実です」(業界関係者)とまことしやかに語られるのを、何度も耳にした。イオンの子会社で、生体販売業者に店舗を提供するペットシティの豆鞘亮二社長も自ら生体販売を手掛けることの難しさについて話す。「ブリーダーの管理を徹底してトレーサビリティを確保するには相当な手間がかかる。自家繁殖できれば良いのだが、自社だけで130店舗分を供給し続けることも困難。そのため社としては生体販売に取り組むことは考えていない」。
wedge.ismediaより


同じような記事は『ダイアモンドオンライン』にも掲載されています。
年々拡大するペット市場で売り上げ1000億円を狙うイオンの鼻息


ペットショップから犬を買うということは、知らず識らずのうちにこうしたパピーミルにお金を回し、それがまた新たに不幸な繁殖犬を増やし、病気だらけの子犬を増やすことにもつながっている。

こうしたことは、動物愛護に関心のある人にはいまや常識ですが、犬は好きだけどペットショップの何が問題かよくわからない、という人のほうがまだ一般的なのでしょう。

一人でも多くの人に犬業界の抱える問題を知ってもらい、行動を変えてほしいというのがこのブログを続ける理由です。

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2016年7月17日 (日)

遺伝と、ペット業界の話①

昨日の続きです。

「膝」というのは一つの例えで、実は遺伝と日本のペット業界の話なんですがー。

親子兄弟は顔が似ているだけではなく、体つきや体質も似ていますね。先祖代々、両親から受け継いだ遺伝子で体は作られているのですから、実は表面からは見えない骨や臓器まで似ていて、自ずとかかりやすい病気や体質も似てきます。「ウチはガン家系」とか「身内に糖尿病が多い」というのも遺伝子が原因です。

そもそも犬の純血種の遺伝子プールは人間のそれよりもはるかにせまいのですから、単一遺伝病はもちろん多因子遺伝病も発症しやすく、繁殖は慎重にする必要があります。

要は、膝の作りの悪い犬は繁殖させるべきではないということです。
(もう少し丁寧に補足するなら、膝が悪くても他に良いところが多く、どうしても繁殖させたい場合は、代々膝のいい家系の犬と掛け合わせるのがベターです)


どの犬を繁殖させるかは飼い主次第。その犬種について学び、美しく、病気のない健康な犬を作ろうと努力しているブリーダーがいる一方、ただひたすら数多く子犬を売ることしか考えず、病気の犬を繁殖に使い続けるブリーダー(いわゆるパピーミル、子犬生産工場)もいます。

3代前くらいまでさかのぼれば、生まれた子犬がどんな病気に気をつけるべきかはわかります。きちんとしたブリーダーであれば、売り渡した後も犬の情報を把握していて、血統の管理をしているものですが、パピーミルはどうでしょう?


”この犬は病気だから繁殖させられない”なんて選別をしていては、利益はでません。幸い病気の犬を繁殖させたところで、パピーミルで起きていることは誰にも見えません。売ってしまってから子犬に病気がみつかっても、最近は動物保険も抱き合わせで売るのが定番ですしね。最悪でも「他の子犬と交換します」で対応。遺伝病ではありませんが、”買った子犬がジステンパーで交換した”なんて話は何度も聞いています。

命ある限り産ませるだけ産ませて、とにかく子犬を売る。産めなくなった犬は手放す。そうしなければ薄利多売のパピーミルは成り立ちません。

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2016年7月16日 (土)

例えば、膝が悪い原因

膝が悪い原因といえば、人の場合は主に、過体重か、使い過ぎ(スポーツによるもの、筋肉不足によるもの、加齢によるもの などなど)、外傷などの後天的なものや、リウマチなどでしょうか。

でも、犬の場合は大部分が先天性。要は”生まれつき作りがよくない”ので膝が悪い。それが当たり前みたいに「小型犬は膝の悪いコが多いからー」で済まされてしまう。

まったくおかしな話です。

明日へ続く。


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ちなみに・・・
膝のお皿の下には滑車溝というミゾがあり、そこを太ももの筋肉の腱が通っています。そのミゾが浅いなどの理由で腱がミゾから外れやすくなっていて、腱の上に乗っかっている膝蓋骨が本来の位置から外れてしまうのが、犬で多く見られる膝蓋骨脱臼(パテラ)ですね。

初期に出やすい痛みは薬で抑えられたとしても、生まれつき作りが悪いのですから、根本的にはどうすることもできません。その”作り”自体を変える(手術)か、そのまま使うか(保存)の選択が必要になります。

ウチのpeeさんには保存を選びました。この場合重要なのは、体重コントロールと筋肉量を落とさないこと。

すーさんも外れっぱなしのパテラで、引き取り時すでにうしろ脚はO脚に変形していましたf^_^;)体重もほとんどのっていないので、前脚はムッキムキ、うしろ脚は鳥の脚みたいです。

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より以前の記事一覧