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2017年11月21日 (火)

子犬・子猫の8週間の規制、国が検討 社会化などに問題 sippo

朝日新聞「sippo」に気になる記事。

sippo
子犬・子猫の8週間の規制、国が検討 社会化などに問題 2017.11.21


札幌市では動物管理センター職員さんの機転によって8週齢が条例化。全国でも話題になりました。

札幌の場合は拍子抜けしてしまうくらいあっさりと条例が可決しましたが、国の場合はどうでしょう?業界の反発は必至。ここからが肝心です。


少なくとも前回改正の「付則」のように骨抜きにされないことを願います。
札幌の条例制定が時代の声と後押しになりますように。



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---以下、記録のため記事転載-------

2017.11.21
子犬・子猫の8週間の規制、国が検討 社会化などに問題


国内のペットショップなどで販売される幼い子犬、子猫の健康を守るには、いつまで生まれた環境で育てるべきなのか──。欧米では一般的な「8週間」を日本でも導入するか、国が検討を始めた。

 子犬、子猫をあまりに幼い時期に生まれた環境から引き離すと、適切な社会化がなされず、人への攻撃やかみ癖などの問題行動を起こしやすくなる。また、生後40日を過ぎた頃から、母親からもらった抗体が減り始めて免疫力が低下するため、一定間隔で複数回のワクチン接種が必要になる。
 
 
◆欧米では8週齢が一般的
 そこで米、英、フランス、ドイツなど多くの欧米先進国は「8週齢規制」を法令で設け、8週齢(生後56~62日)までは、子犬や子猫を生まれた環境から引き離すことなどを禁じる。

 日本も2013年施行の改正動物愛護法で、生後56日以下の犬猫を、販売目的で生まれた環境から引き離すことが禁じられた。しかし現時点では「49日齢規制」にとどまる。法律の付則で施行後3年は「45日」、それ以降は「別に法律に定める日」まで「49日」と読みかえることになっているためだ。ペットショップやペットフード会社などが作る業界団体や一部国会議員が、より幼い動物を好む消費者ニーズを挙げて「売り上げが減少する」、「生産コストが増加する」、「科学的根拠がない」などと反対したうえで、ペット業界が対応可能なのは「45日齢規制」だと主張し、激変緩和措置として妥協案が採用されてしまった結果だ。
 
 
◆2018年に動愛法見直し
 動愛法は18年に見直し時期を迎える。「別に法律に定める日」についても18年中に一定の結論を出す必要があり、環境省は9月、獣医師らによる検討会(座長、西村亮平・東大大学院教授)を設置した。

 生後50~56日で分離された子犬・子猫と生後57日以降に分離された子犬・子猫で、問題行動を起こす割合に統計的な差があるかどうか。検討会は5年で約1億1千万円かけ、同省が菊水健史・麻布大教授(動物行動学)に委託した研究について議論し、12月中旬に妥当性に関する意見をまとめる予定だ。

 これを受け、来年1月にも同省の審議会が最終報告を出す見通しだ。同省幹部は「付則を生かしたまま49日で据え置くか、本則の56日を導入するか、さらなる知見の蓄積を求めて判断を先送りするか。両論または3論の併記になるかもしれない」と話す。

 だが、「統計は暴走する」などの著書がある東大社会科学研究所の佐々木彈教授(経済学)は、サンプルによっては1日分しか違わない微少な差を統計学を用いて分析し、政策を導き出す手法の問題を指摘する。「ごく小さな違いを統計学的に分析して『有意差がない』という結果が出たとして、それをもって『科学的根拠がないから、ある政策が実現できない』というのは、一般的に危険な考え方だ。政策の自殺行為といえる」。その上で、市場原理が獣医学的には最適な結果を生んでいないことが問題の根底にあるとして、「社会科学の見地から検討がなされていないのはおかしい。獣医学者だけでなく、統計学者や経済学者らの意見も聞くべきだ」とも話す。


◆「問題行動のリスク高い」
 幼齢な犬猫の分離時期にまつわる研究は、海外では進んでいる。

 ヘルシンキ大などの研究チームは今年、子猫について「問題行動を起こす確率は、8週齢より前に分離された猫のほうが12~13週齢で分離された猫よりもかなり高い」「14~15週齢で分離された猫は、12~13週齢で分離された猫よりも、常同行動を起こすリスクが相対的に低い。家庭で飼われている猫の福祉をより改善するために、14週齢での分離を推奨する」とする論文を発表。子犬については、動物行動学に詳しい米ペンシルベニア大のジェームス・サーペル教授が、環境省主催のシンポジウムなどで「分離時期は7~9週齢の間が最適で、6週齢では悪影響がある。10~12週齢は9週齢と比べてそれほど悪くない。(法律で)8週齢と決めるなら素晴らしいことで、それはある種の安全な妥協点になる」などと指摘している。

 ほかにもイタリアの研究チームが、生後60日以降に分離された子犬と生後30~40日で分離された子犬とを比較して、「早く分離されたほうが、問題のある行動を示す可能性がより高い」とする論文を出していたりもする。

 欧米では、こうした研究成果にブリーダーが長く蓄積してきた現場の経験知を加味し、個体差を考慮して「より安全な時期」を模索した結果として8週齢規制を導入してきたといえる。

 日本でも獣医学関係者には、「一般論として7週齢での分離は早いという気持ちがあるのは事実。週齢の規制が必要ならば、ゆとりを持たせて8週齢の方が安全だと思われる」(武内ゆかり・東大大学院教授)という意見が多い。

 動愛法は議員立法なので、「別に法律で定める日」も最終的には議員立法で決めることになる。超党派の国会議員連盟「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」で動愛法改正プロジェクトチーム座長を務める牧原秀樹氏は、「動物の福祉のためにも、前回法改正では先延ばしになってしまった8週齢規制を今回は実現したい」と語る。
 

■8週齢規制を巡る主な動き 
<日本(動物愛護法)>
出生後49日を経過しない犬猫は、販売のため又は販売の用に供するために引き渡し又は展示をしてはならない

<米国(連邦動物福祉法)>
最低8週齢以上および離乳済みの犬猫でない限り商業目的のために輸送または仲介業者に渡されてはならない

<英国(犬の飼養及び販売に関する1999年法)>
生後8週間に達していない犬を販売してはならない

<ドイツ(動物保護法 犬に関する政令)>
8週齢未満の子犬は、母犬から引き離してはならない

<フランス(農事法典)>
犬猫については8週齢を超えた動物のみが有償譲渡できる

(諸外国の事例は環境省調べ)

(太田匡彦)

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