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2016年4月29日 (金)

ACE阻害薬とARB

3日連続、ACE阻害薬。ますますニーズのない話に突入します。笑

心臓が悪いと診断されたとき、犬はたいていACE阻害薬が処方されますが、人間の降圧薬はACE阻害薬よりはむしろARBが主流と言われています。

以前、その疑問を循環器を専門としている先生に尋ねたら「高いからねー」と一言。その後、2014年にはARBのジェネリックが出始めましたが、未だ犬ではACE阻害薬が主流のようです。やっぱりまだ高いから?ARBを処方されているという飼い主さんに、ワタシは出会ったことがありません。

そもそも人の降圧薬としてARBが選択されるようになったのは、ACE阻害薬の副作用である空咳や喉の不快感がなかったこと、そして何より臨床試験でのすばらしい成績が評価された結果と言われています。

しかしその後、ノバルティスファーマによる臨床データの操作疑惑が判明。(問題のARB”ディオバン”は日本で相当売れていた薬ですが、疑惑に加え薬価が高いこともあり、その後患者さんの多くはジェネリックに流れたと聞きます)

ARBはいい薬なのでしょうけど、本当にすばらしい成績だったかどうかは闇の中、ということらしいです。


日本高血圧学会でもACE阻害薬とARBとを併記していますし、そもそも同じレニンーアンジオテンシン系で作用する薬ですから、効果は大差ないとも聞きます。
むしろ、ACE阻害薬の副作用とされる「空咳」が肺炎の予防となるため、あえて高齢者にはACE阻害薬を処方するという話も聞きます。

・・・とここまでくると気になりませんか?そんなに出るんですか?「空咳」。


犬の心臓病が発見されるきっかけの一つが咳。しかし、アンジオテンシン変換酵素は発痛物質であるブラジキニンを分解する作用もあるのですが、ACE阻害薬を服用するとその働きも阻害されてしまうため、肺のブラジキニンが増え咳が出ると言われているのです。

ということは、薬が効いていても咳が続いたり、喉の違和感があるってことなのかな?と新たな疑問がわいてきます。(相手が人間なら、本人に聞けばわかるんですけどねーf^_^;)


そこで、かかかりつけの先生に
「犬はARBは使わないんですか?犬用はないんですか?」
と聞いたところ

「使う先生もいる。犬用はないけど猫用(慢性腎不全用)を使う」
との返答。


犬はARBを使うと、副作用として血中のタンパクが増え、結果BUN(血中尿素窒素)が上昇することがあるそうです。

ただこれはラシックスなどで上昇するBUNとは事情が異なり(ラシックスの場合は脱水が原因なので、かなりやばい)、それほど危険ではないらしいですが。

でもねぇ。。。慢性心不全の身としては、またいつ肺水腫を起こしラシックスが必要になるかわからないわけですよ。危険性は低いとはいえBUNを上昇させて、腎臓に負担をかける選択を今する必要はありません。

ワタシの結論としては、ARBはナシとなりました。

でも、咳はなんとかしたい。息の止まりそうなイビキも、ひどい逆くしゃみもです。

エースワーカーの添付文書にある臨床成績には、「本剤投与に起因すると考えられる有害事象としては、いびき(1.1%)がみられた」とあります。

そんなことから、引き取り時から続けてきたエースワーカーは、前々日の記事に書いたようにアピナックに変更となりました。

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