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2016年4月27日 (水)

ACE阻害薬はなぜ必要?

弁膜症の我が家のチワワすーさん、食欲もあって元気もありますが、なかなか心臓の状態が改善しません。
具体的に言うと左心房がかなり大きくなったまま、心臓の周囲も内側も圧迫しているため心臓の負担は大きく、重い咳もとれません。(肺水腫は脱しました)

ピモベハート(強心剤)
ニトロール(血管拡張)
スピロノラクトン(利尿、降圧)
ネオフィリン(気管支拡張)

上記が加わりすっかり薬が増えてしまいましたが、ずっと飲んでいるのは、ACE阻害薬のエースワーカー(一般名:塩酸テモカプリル)。

すでにお空にいったbeeちゃんが飲んでいたのはマレイン酸エナラプリル(エナラプリルマレイン酸塩)。

ほか、よく動物病院で処方されるACE阻害薬といえば
アピナック (アラセプリル)
フォルテコール(塩酸ベナゼプリル)
などでしょうか。

一般的に処方薬は、患者数が多いものほど種類もジェネリックも多いですよね。

ACE阻害薬もご多分にもれず、ARBが登場するまでは(人の)高血圧症の第一選択薬と言われていた時期もあり、ジェネリック含めかなり種類があって、はたしてどれがどうなのやら。

最終的には先生にお任せしますけど、インフォームドコンセントは重要・・・ということで、病気と薬の個人的なメモです。


上記の塩酸テモカプリルやエナラプリルマレイン酸塩、ほかにもカプトプリルや塩酸イミダプリルなど、プリプリした名前だらけですが、みなACE(=アンジオテンシン変換酵素)を阻害する薬。なのでACE阻害薬と言います。 f^_^;) く、くどい。

ACE阻害薬はレニンアンジオテンシン系に作用します。レニン-アンジオテンシン系は、全身の血液の量を保持する役割があり、血圧を上げることで血液の循環を調節。


【レニン-アンジオテンシン系】

1.アンジオテンシナーゼ に
↓ 腎臓が血流量を感知して放出するレニンが加わると

2.アンジオテンシンⅠ になり、そこに
↓アンジオテンシン変換酵素が加わると

3.アンジオテンシンⅡ になり、それが
↓アンジオテンシンⅡ受容体と結合すると

血圧が上昇 を、カラダは無意識で行っています。


弁膜症などで心臓が全身にうまく血液を送り出せなくなると、腎臓は「血液の流れが足りない!」と判断し、頑張ってレニンを分泌します。

しかしいくら血圧は上がれど、弁の働きが悪いわけです。やはりうまく血液を送り出せず、また腎臓がレニンを分泌。悪循環となり、ますます心臓や血管に負担がかかります。

これを防ぐため、ACE阻害薬は上記2の働きを邪魔して、できるだけアンジオテンシンⅡが作られないようにします。
※ちなみにARBは上記3の邪魔をします


要するに、ACE阻害薬は弁膜症を治してくれる薬ではありません。(弁自体を治すには人工弁を取りつけるしかありません。日大獣医でこのオペができる、と以前聞いたことがありますが・・・)

治せない薬なら必要ない、獣医師の金儲けだ、と言う人もいますが、心臓は無理をして働きすぎると肥大し、次第に誤作動を起こすようになってしまいます。

悪くなってからではもっと強い薬やたくさんの種類の薬(要するに今のウチの様なフルセット)が必要になってしまいますし、何より心臓の寿命を縮めてしまいます。

症状が軽いうちに、塩分の少ないフードに切り替えたり、ダメージを進行させないための副作用の少ない薬(ACE阻害薬)を始めておけば、症状の軽い期間が長くなる、進行を遅らせられるのですから、これはこれで重要なことだと思います。

ただ、初期の心雑音は獣医師によって診断に差があるのは否めませんよね。カラードプラ(エコー)でしっかり診てもらうことをお勧めします。

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