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2010年10月23日 (土)

「考えよう、大切な小さな命について」の報告2

札幌市小動物獣医師会主催の市民講座
「考えよう 大切な小さな命について~不幸な動物を減らすために~」に
行ってきました、の報告、その2です。

■しっぽの会 代表稲垣さん

□しっぽの会の概要、主な活動紹介
・引き取り基準
 保健所・動物管理センターにいる殺処分寸前の犬猫
・会の日常など
 清掃、エサやり、散歩、人慣れ、通院など


□会で引き取ったさまざまな犬猫たちの紹介
・ブリーダー放棄の犬
・病気を抱えたまま遺棄・放棄される犬
・猫エイズ・猫白血病に感染した猫


□しっぽの会犬猫保護数・譲渡数(2007年~2009年)
2007年 (保護)180 (譲渡)160
2008年 (保護)279 (譲渡)226
2009年 (保護)169 (譲渡)186


□新しい飼い主さん紹介(写真中心)
(その中の1匹)
野良犬から産まれた子犬はなかなか人慣れが難しい
当初散歩すらできなかった犬でも、
飼い主さんとこうして写真に写ることができている
当時は想像すらつかなかった


□活動の中での問題点
・収容能力と人手の問題~生き物の世話は年中無休でエンドレス
・絶えない引き取り依頼~身近な捨て犬猫をなんとかしてほしいという連絡
→理解してもらうことが必要

・継続するために運営資金と人材をいかに確保していくか


□今後の課題
・保健所の収容をゼロに
・野良猫を一代限りの地域猫として世話できる町づくり


□会の活動紹介
収容される犬猫をゼロにするための
さまざまな活動(マスコミへのPR、署名活動など)


□問題を作るのも人、でも問題を解決できるのも人


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札幌動物行動クリニック 小田先生

「所有権放棄の動物を減らすために 飼い主ができること」

※時間の関係でかなり急ぎ足での説明となりメモを取るにも厳しい状況でした
 (たぶん先生ご自身が一番厳しかったか
とは思いますが。苦笑)
 メモがかなり抜け落ちたため、意味をあわせるためにワタシが補足した箇所もあります
 当日来場した方で、間違いを見つけられた場合は
 ご指摘いただけるとうれしいです



□持ち込まれる放棄動物
飼い主の都合
問題行動
望まぬ繁殖


□それらを防ぐためには
理由が飼い主の都合の場合→将来起こることを予測しておくことが必要
犬の寿命を考え、ライフイベントを予測する

例)

子どもが「犬がほしい」と言っても、子どもはすぐに飽きるかもしれない
でも犬は10年以上生きる、親御さんが犬の面倒をみる覚悟が必要

一人暮らしをしている人が「犬がほしい」という場合

一人暮らしの人が犬を飼う多くの理由は“癒されたい”

でも実際、一人暮らしの人が飼う犬には分離不安が多い

犬は適切な世話をしなければ癒してはくれない
犬というのは群れで暮らす生き物
一人で留守番をしていればストレスがたまる

自分の時間が少ない人には難しい

仕事で何日も家をあける人、高齢の人は
犬を預かってくれる人や施設を探しておく必要がある
周囲の人をまきこんで飼うことも大事


□犬の問題行動の場合
・環境によって引き起こされる問題
→自分のライフスタイルに合う犬種を選んでいない

12時間以上家をあける人が犬を飼うのは厳しい


□まずは犬種についてよく知ること
犬種によって「行動特性」がちがう、求められる仕事がちがう

「テリア種」
小動物の狩りを仕事にしていた 攻撃行動がある
例えばダックスはアナグマの狩猟につかわれていた犬
飼い主よりも先に巣穴を探し、何時間でも吠えながら待っているのが仕事
そもそもが吠えやすい気質

ペットショップの店員が
ジャックラッセルを「散歩させなくていい」なんて言ったりしているが
そんなわけはない
それなりの運動量が必要な犬種。ヨークシャテリアもそう
運動しないとフラストレーションがたまるし、
散歩の目的は運動することだけではない

「チワワ」
恐怖心がとても強く、攻撃行動をとろうことが多い
小さな子どものいる家庭で飼われたりすることが多いけど
チワワ自体は飼い主を独占したがる傾向が強く、
小さな子どものいる家庭だと、子どもとお母さんを取り合ったりする
子どもさんが独立した、ご夫婦などが飼うのに適している

「ボーダーコリー」
非常に頭がよい犬。牧羊犬なので、音に対してとても敏感、
恐怖心からの攻撃が多い
飼うなら音の刺激の多い都会ではなく、郊外の戸建がいい
上下左右の部屋から音が伝わってくるようなマンションでの暮らしは不向き
音に囲まれて生活することが苦手

ライフスタイルから問題行動がおこることもある

□過剰な吠えの対策
吠えることを仕事として作られた犬-
ダックス、シェットランドシープドッグなどは
音に対して反応する傾向が強い

→小さな頃から“吠えないことが良いこと”と学ばせておくことが重要
(犬は本来…という話ではなく、あくまでも獣医として考えると)

過剰な吠えを治すこと(嫌悪条件付けなど)をしても
犬自身が「吠えないほうがいいんだな」と理解しないと難しい

吠えることが仕事としてもたされた犬種には
小さな頃から教えておいたほうが犬にとっては幸せ

今の世の中で暮らしていくなら、こうしておくほうが犬にとっても生活しやすい

□子犬の頃からの疑似体験
これから出会うであろう状況を子犬のうちに疑似体験させることが大切

小型犬 物音などの過剰反応する→子犬のうちに反応を下げておくことが大事
クリニックでは2ヵ月齢くらいからそうしている

□攻撃行動
クリニックには柴犬、ウェルッシュコーギーが多く来院する
(特定の2犬種をあげるのは申し訳ないけど多い)

どちらも警戒心が強く、防御や物を守ろうとすることが原因となることが多い

犬の攻撃行動の原因は、基本的に“恐怖”と“不安感”

未だ「飼い主をなめてる」という人がいるけど
そうではない

「優位性による攻撃行動」という人がいるが
狼のケースを犬にあてはめるのは大きな間違い

狼の場合はアルファ(ボス)以外は繁殖行動ができない
子孫を残そうと思ったらアルファに挑戦するか、
群れを出なければならない

犬は?
人間の仕事をするために作られた動物
人間よりも偉くなろう、わざわざ下剋上しようといった
リスクを冒す必要はない

それを勘違いして人間が強くおさえつければ
犬側の“恐怖”が増して攻撃行動が悪化するだけ


□問題行動を防ぐためには
社会化期(一般的には3~12週齢、
ただし柴は短くて8~9週齢で終わる)に
人と暮らす上で経験すること、理解させることが大事

理由は「髄鞘(ずいしょう)」の形成

人間は3~10歳くらいにかけて髄鞘が形成されるが
犬は3ヵ月で終わってしまう
この時期にいかにいろんな経験をさせられるかが大事

オスワリ、マテ、フセ、コイを理解させるのはいいこと
飼い主の仕事をさせることにつながる=
信頼関係をつくることに役立つ

新しいシーンでもオスワリ、マテを応用すると
犬は早く理解することができる
(怖くない、と理解する)

生後2カ月くらいからオスワリ教えるといい
仕事をして報酬を与え、犬に自信をもたせることが非常に大切

でも、社会化期以降でも学習させることは全然可能
(ウチの犬は元野良犬だったけど、僕にとってはすばらしいパートナー
成犬から教えたけど全く遜色はない)

犬は年をとってからも学習意欲の強い動物
成犬になってから問題行動がでることもある
でもそこからでも教えて治すことができる


□精神的な疾患
不安症
パニック
常同障害(人間では強迫性障害と呼ばれる) など

人間に限らず、感情をもっている動物にはこうした病がある
薬物療法でケアして、生活に支障なくすることは可能

犬にも日々いろんなことがあり浮き沈みもある
理解してほしい


□避妊去勢手術の必要性
メスの場合は母性(偽妊娠)による攻撃もある

オスの場合は男性ホルモンの関係するマーキング行動や
オス同士の攻撃行動など

問題行動やオス同士の行動は去勢によって軽減できる
(不安や恐怖、ストレスによるマーキングや攻撃行動は
去勢によってはおさえられないが、プラスしないようにはできる)


□動物が問題行動を起こしたときは
動物からの何らかの“サイン”だと考えることが大切

正しい知識が必要

そうした行動をとる必要はない、ということを
犬に教えること
飼い主が動物の感情を考えてあげることが大事

やみくもに叩いたり怒ったりしても意味がない
かえって問題が大きくなることがある

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最後に、ワタシの所感

管理センターとしっぽの会はおなじみですから
特筆すべきことはないのですが(すいません。苦笑)、
新鮮な存在だったのは小田先生^^


小田先生のお話は
犬を飼う初心者の方すべてに聞いてほしいくらいです。

ワタシ的には、新しい発見が2つありました。

1つめは「一人暮らしの人は癒されたくて犬を飼う」ということ。

…え?そんなこと知ってる?(笑)
ワタシは知りませんでした。

まずは「犬が好き」という大前提があって
その好きな存在といるから癒されるんですよね?

まさか「癒されたくて犬を飼う」人がいるとは…
考えたこともありませんでした^^;

犬を理解せずに、
自分が犬を好きかどうかもわからないまま飼うから
無責任な人は
こんなはずじゃなかった→もういらない、になるんですね。

だいたい、犬が無条件に
人を癒してくれるなんて思ったら大間違いですよね(笑)
こんなブログを読んでくださる方はご存知かと思いますが。

実際、子犬なんか(笑)は腹のたつことの多いこと…(I LOVE 老犬。笑)
でも年齢に関わらず、いろんな苦楽を共にともにするからこそ、
愛情と信頼が増していくものですよね。


2つめは「髄鞘(ずいしょう)」について。

犬の髄鞘形成が3ヵ月で終わるとは知りませんでした。
人間より数倍のスピードで大人になるわけですから、
当然といえば当然ですが…勉強になりました。

勝手に【「髄鞘」についての参考】

ほぼ日刊イトイ新聞-主婦と科学。
「研究レポート35 脳が重いほど頭がよい?の科学。」
http://www.1101.com/kasoken/2004-05-21.html

長くなりましたが、報告は以上です。

※漢字の変換ミスがありましたので、修正しました
 Gさん、Yさん、ありがとうございます^^;
 文章も荒かったので(いつもだけど。笑)
 散歩・運動のところも含めて加筆修正しました



*.* .*.☆
安易にネットで犬や猫を販売・購入するのは反対です
*.* .*.☆
   ☆.* よろしければ、プロフィールもご覧ください*.

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コメント

はじめまして 札幌近郊(近くにWDあり)に住んでますshinです。北海道、札幌のワンコ事情など 大変興味深く拝見してます。読み逃げばかりですが、どうぞよろしく。confident

市民講座 行けなかったので大変参考になりました。特に犬の髄鞘形成については初耳でしたので興味あります。ほぼ日 ちょっと見てきますね。

投稿: | 2010年10月23日 (土) 12時39分

はじめまして!いつも寄らせていただいています。

先日の市民講座へ私も行きました。
小田先生は我が家の「もなか」の先生でして、お話を聞きたくて行きました。

我が家は、現在「はなび(12才)」と「もなか(たぶん3才)」の2匹にダックスがいます。(去年には17才のダックスを見送りました。)
「もなか」は今年3月に苫小牧保健所に迷子で収容されており、飼い主のお迎えが無く、里親探しに出されたため、我が家に迎えました。(迎えるにあたっては夫婦で物凄く話し合いましたねぇ。)
その「もなか」君、これがガウガウ噛みつきモンスターでして、わたしは怪我だらけ!
最初は緊張しているしこんなものだろう・・・なんて思っていたのが、そのうち首輪もさせてもらえない状態になって・・・。動物病院の先生に紹介されて、小田先生のもとへ・・・。
小田先生は千葉市の保健所に勤務していたので、不幸になる犬を無くすためにはどうしたらよいか本当に真剣に考えている方です。そして面白い。
常に動物に「楽しく、気持ち良く問題解決!」で飼い主と話し合います。
動物を不幸にさせる前に、たくさんの人達に、小田先生の考えを知っていただきたいな、と思っています。
先生、患者さんが多くて中々お話する機会って少ないと思いますが、あったら是非聴きに行ってくださいネ。(犬猫の飼い主が興味を持つお話をたくさん持っているので、これから増えるかもしでませんネ。)
長くなって申し訳ありませんでした。
患者だけの小田先生にしておくにはもったいなくてコメントさせていただきました。
これからも楽しみに寄らせていただきます。

投稿: はなもなママ | 2010年10月23日 (土) 14時53分

やっと読み終えました♪(旦那がいて邪魔されてました(笑))


確かに最後の話が駆け足だとはショックですね!
柴犬などの問題行動の所見が私が習ったとのと違う視点からの捉え方してて新鮮です♪
ダックスやはり多しの問題行動。全く持ってその通り!!
最初から吠えないよう努力するのは飼い主の義務ですよね~
って言うか、やっぱり私も「癒されたいから犬を飼う」とか理解出来ないタイプ(笑)
犬好きで欲しくて、飼うなら躾やなんか覚えなきゃ!なんて(イカレた)専門学校行った私と「可愛くて衝動買い~♪」な人とは、一生分かり合えないかも知れません。
癒されたいならビデオで充分です( ̄∀ ̄)b


ワタシさんのおかげで、また脳みそのシワが増えました♪
すごく分かり易くて嬉しいです。
ありがとうございますm(_ _)m

投稿: みなみな | 2010年10月25日 (月) 01時20分

shinさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

1チャンスだと日程が合わないこともありますし
こうした市民講座は定期的に開催されるといいですよね。

お住まいはWDのご近所ですか(笑)
もし何か面白そうな出来事がありましたら、
お知らせいただけると幸いです。
読み逃げ大歓迎です。今後ともよろしくお願いします。

投稿: ワタシ | 2010年10月25日 (月) 13時59分

はなもなママさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
小田先生にお世話になられているんですね^^

犬を捨てる人たちには、
ぜひはなもなママさんの爪の垢を飲ませたいですね(笑)
心の底からそう思います。

まずはご家族でよく話し合われ、
問題があっても諦めず専門家に相談、というプロセス自体理想的ですが、
なにより、先生とのやり取りを楽しめていらっしゃいますよね。
これがとても大事なことだと思うんですよ。

また、はなもなママさんご自身もとても愛情深い方なのでしょうね。
それでも「怪我だらけ」は
誰にでも乗り越えられることではないです。

問題が起きたときにどう対処するかは
もともとの人間性にもよるとは思いますが、
先生もおっしゃっていたように「正しい知識」があれば
対応できるわけですから、
みなさんにも先生のような方の存在を知ってほしいです。

>患者だけの小田先生にしておくにはもったいなくてコメントさせていただきました。

ホントに。ぜひ共有させていただきたい(笑)
もっともっと多くの人に聞いてほしい内容でしたー。
またぜひお話が聞きたい方のお一人です^^

投稿: ワタシ | 2010年10月25日 (月) 14時01分

みなみなさん、こんにちは。

そうそう、癒されたいだけなら
友達の犬猫なでさせてもらったり
愛護団体でのボランティアで十分ですよね^^;

子犬のうちはいたずら三昧だし(人間と一緒で)、
年齢にかかわらず、ときには下痢も嘔吐もするし
それが夜中だったらおちおち寝てられないし、
明らかに体調が悪そうなときには
朝から会社にウソついて動物病院直行だし(笑)

一日働いて帰宅したら
うっかりウンチを踏まれてて、足もカーペットもウンチまみれ、
部屋中がウンチ臭…なんてこともありました。

一人暮らしの犬飼いが、のんびり癒される時間なんて
ほんのわずかかも(笑)

もちろん癒されることもありますが、
飼い主としてやらなきゃいけないことのほうが多いような今日この頃です。


(イカれた。爆笑)専門学校で習ったみなみなさんの所見、
ぜひ聞きたい^^

投稿: ワタシ | 2010年10月25日 (月) 14時03分

いつもお勉強になる内容をありがとうございます♪

私も小田先生の元へ行きたい(^^ゞ
ちと?遠い!(;一_一)
ヨーキーに関しての勘違いの多さはほんとにすごいです。
決して飼いやすい犬種ではないはずなんですけど、飼いやすい犬種だと思われてる感ありますよねぇ。
ま、飼いやすいと言われて買っちゃった私が言うのもなんですが!

癒されたくて犬を買った人って癒されてるんでしょうかね?
私も癒されたくて飼っちゃうなんてこと思いもしなかったし、実際、癒されるどころか癒すの担当みたいになってきた(汗
ウンチ臭・・・クスクス(^_^;)
事件は突然おきる~っと!

投稿: coach | 2010年10月25日 (月) 22時41分

coachさん、こんにちは。

>ちと?遠い!(;一_一)

いや、ハンパなく遠いしー^^;

けっこう“噛みつきヨーキー”も多いですよね。
「テリア系ですからね」って先生も強調してたんですけど、
あの小さくて可愛い見た目に、勘違いする人多いんでしょーね。
って、まぁcoachさんは別にどんな犬でもお手のものでしょうけど…(笑)

ワタシもほとんど癒すほう担当だなぁ…

投稿: ワタシ | 2010年10月26日 (火) 09時36分

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