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2010年8月28日 (土)

絞首刑

昨日、はじめて法務省が東京拘置所内の死刑の刑場を報道機関に公開したというニュース。

死刑の刑場を初公開=東京拘置所、法相意向受け (yahoo Japan news )

法務省は27日、東京拘置所内の死刑の刑場を報道機関に公開した。千葉景子法相の意向を受けたもので、刑場の外部への公開は、国会議員の視察を除けば初めて。死刑制度について国民的議論につなげたい考えだ。

(一部抜粋)


これを読んで、どれだけの人がどう感じたのでしょう。

勉強不足なので多くは語れませんが、
日本の死刑制度はずっと秘密主義で行われてきたもの。

刑場が公開されたのが今回が初めてということもそうですし、
なにより死刑の執行自体もそうですね、
あるとき突然ニュース速報が入り、
「○○死刑囚に刑が執行されました」と報じられる―

その唐突さは全く理解の範疇を超えています。

ワタシは基本的には死刑制度には反対です。
殺人を殺人で食い止めることには疑問ですし、
正義の名の下に人を殺めることが正しいとは思えません。

でも、「光母子殺人事件」のような話を聞けば
犯人には極刑をと願うのもまた正直な気持ちです。

まだ明確な答えはありませんが、
こうしたことを耳にするたびに
知らなければならないことはまだまだたくさんあると実感させられます。



昨年の6月、朝日新聞に掲載されていた
作家・辺見庸さんの寄稿「犬と日常と絞首刑」が印象的だったので
一部抜粋します。

(前略)

EUの死刑廃止宣言の趣旨は「いかなる罪を犯したとしても、すべての人間には生来尊厳がそなわっており、その人格は不可侵であるという新年に基づく。これはあらゆる人にあてはまることであり、あらゆる人を守るものだ。有罪が決定したテロリストも、児童や景観を殺した殺人犯も例外ではない。暴力の連鎖を暴力で断ち切ることはできない」「死刑は最も基本的な人権、すなわち生命にたいする権利を侵害するきわめて残酷、非人道的で尊厳を冒す刑罰なのである」とうたっている・・・

(中略)

 世界というよりもっぱら世間にぞくする私たちは、がいして悩むことのできる悩みしか悩まない。絶えることのできる悲しみしか悲しまない。耐えることのできる悲しみしか悲しまない。おのれの“苦悩容量”を超えるおおきな悩みや悲しみをわれわれは無意識に〈なかったこと〉にしてしまう傾向がある。日常はだからこそ、たとえどんなに累卵の危うきにあっても、表面はいつに変らぬなにげない日常でありえる。おなじ文脈で、死刑くらいこの国の日常と文化とそれらのすさみにうまく融けこみ、よくなじんでいる国家的儀式はない。日本における死刑の執行計画、刑場のありさま、絞首刑の手順、死刑囚の“人選”、それらの法的根拠はいまだにほとんど開示されてはいない。まして死刑執行状況の可視化などもってのほかである。が、死刑はだれかによって周到に政治的タイミングが選ばれ、いわばひそかに“演出”されている。
 セケンはむしろ知らされないことを望んでいるかのようだ。実相は知らされずに、しかし、殺ってほしいのだ。セケンを背にした死刑という表現はかくも繊細であり、陰影に富み、これを美とするか醜とするかは別にして、あくまでもジャパネスクなのであり、私たちの心のありようにしんしんとつながっている。同居する犬が死んだら私はたぶん、さめざめと泣くであろう、しかし明朝誰かが絞首刑に処されたのを知るにおよんでも、悩乱をつのらせることはあれ、涙を流すまではすまい。私もまた悲しむことのできる悲しみしか悲しんではいないのだ。

(後略)

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コメント

死刑反対の千葉法相が自分の見学のために2人だけ処刑したが、まだ100人以上が未処刑のまま。
独身の変人・千葉景子の個人的な判断を裁判所の判決よりも優先させてはならない。
身の毛がよだつ奇人・千葉景子は刑場で2人の死刑囚の死刑執行を見て何を思ったのか。

投稿: 左巻き菅 | 2010年8月28日 (土) 15時45分

昔は死刑によって殺人を食い止める!と少しは考えていたと思いますが、現在はその様に考えている方は少ないと思いますよ。

只、一つだけ、殺人を犯した「報い!」只それだけの様に思います。

私は死刑制度自体は思いっきり賛成です!!!

投稿: 影の住人 | 2010年8月28日 (土) 19時47分

こんばんは、すごく難しい問題ですが、日頃考えている事を書かせていただきます。
基本的には、死刑制度には反対です
NHKで、永山則夫死刑囚のドキュメンタリーを見て、凄く考えさせられました。
彼と長く文通をしていた女性が、彼の死刑執行後、罪の無い自分が新たな悲しみを背をわされたと言うような事を言ったのが強く印象に残っています
死刑が国の認めた報復なら、被害者の家族が絞首刑のスイッチを押すのはどうでしょう
仕事とは言え、死刑囚に何の恨みの無い者がスイッチをおさなければならないのは、とても嫌な事だと思う
たとえ、誰が押したか判らないように、なってたとしても、人を殺したという罪の意識は、あると思う
被害者家族が、スイッチを押せるのなら、死刑は有りかも知れない
もし、自分が人を殺すことがあるなら、それは、正当防衛か愛するものを殺されたときだと思っている
被害者家族の心情をどれだけ理解しているかといえば、甚だ疑問ではありますが、自分がスイッチを押せるか?
今一度考えてみたい
たとえ、合法的ではあっても、スイッチを押せば、自分も人を殺したことになる
同じ殺人者になるという事実を一生背負っても、余りある憎しみなのでしょうか
いくら考えても、答えは出せない
でも、少なくても永山死刑囚は、死刑にして欲しくなかった一人です
彼のこれからの人生を見てみたかった

投稿: メルママ | 2010年8月29日 (日) 01時03分

たしかに、もっと早く公開されてれば・・少なくとも裁判員制度の前にとか・・は思う。私は反対でも賛成でもない、これは人間界の永遠のテーマです・・哲学的なことはよくわかりません・・哲学って、唯一人間という生き物ができるコトっていうか・・このテーマで言えば、答えを導き出す方法とでもいうのか・・宗教的な部分もある。もし、自分の身内に、又は、かわいい犬や猫に残酷なことをする人がたくさんいます・・そういう人に対してどういう感情を抱くでしょうか・・やはりコレでしょう・・正解はわかりません、でも答えの一つは、この素直にでる人間の感情ではないでしょうか・・。人間って、いつの時代でも正義のもとで殺しあってるんです・・現代に限ったことではないんです。あのイラク戦争だって、正義のもとで連合軍の死者は約4700人+その他民間人とイラクの治安部隊・・現在進行中のアフガニスタンでは7月だけで66人(アメリカ兵)、月間最多だそうです・・こういう話のほうが惨いと・・私は思う・・。

投稿: | 2010年8月29日 (日) 07時37分

左巻き菅さん、はじめまして。

コメントいただいた、先の報じられた千葉法相の件も同じで、
何を基準に刑を執行しているのかがわからないのです。
私達の税金が使われているのに、
こんな秘密裏に続けられていることが腑に落ちません。

投稿: ワタシ | 2010年8月30日 (月) 15時24分

影の住人さん、こんにちは。

間違いなく、抑止力にはなっていませんよね。

ワタシも本心ではハンムラビ法典タリオの法的な考えはあるんですが、
でも本当にそれが公平なのかとか、疑問は拭えません。

それに、3人も4人も殺しておきながら、
本人の死をもって報われてしまっていいんでしょうか。
何かほかに償わせる方法はないのでしょうか。
まだまだわかりません。。。

投稿: ワタシ | 2010年8月30日 (月) 15時26分

メルママさん、こんにちは。

先月か先々月か、深夜にオンエアされていたドキュメンタリーですよね。
ワタシも見てました。
「この人がいま殺される必要があるんだろうか?殺されたところで何になる?」
というのが素直な感想でした。

ただあくまでもドキュメンタリーですし、
その人が実際どうかはわかりません。
でも一人ひとりに“実際”があるわけだし、
また冤罪も怖いですね。

それに、執行のボタンもいくら3人で同時に押すとはいえ
「人が人を殺める仕事」というのがあっていいのか…
これも難しいですね。

でもわからないし、誰かがなんとかしてくれるだろう、ではなく
難しいことからも目を背けずに考えることが大事だと思ってます。
お考え、ありがとうございます。

投稿: ワタシ | 2010年8月30日 (月) 15時28分


本当に、もっと早く公開したほうがよかったと思うし、
今後も情報公開してほしいです。

辺見傭さんが述べているように
きっとみんな知りたくないと思っていたから
都合がよかったんでしょう。

臭いものに蓋をする文化というか、
隠ぺい体質がまかり通ってきたこれまでとは
あきらかに時代が違うと思います。

正義っていったいなんでしょうね…

投稿: ワタシ | 2010年8月30日 (月) 15時29分

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